移動平均線(MA)

テクニカル指標
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移動平均線とは:テクニカル指標の代表格

移動平均線(Moving Average)は、チャートのテクニカル分析において広く使用される指標の一つです。移動平均線は、一定期間の価格データの平均値を計算し、それをグラフ上に描画することで、価格のトレンドや平滑化された価格の動きを分析するのに役立ちます。

株価のトレンドと売買のタイミングを見つけよう

移動平均線は、特定の期間(例えば5日、10日、25日、または200日など)の価格データの合計を期間の数で割った平均値です。これにより、相場の主要な方向性や転換点をより明確に見極めることができます。

単純移動平均線の利点の一つは、相場のトレンドを把握しやすくすることです。移動平均線は価格の変動を平均化したものであり、一時的な変動を除去します。これにより、相場の主要な方向性や転換点をより明確に見極めることができます。

単純移動平均線はほとんどのトレーディングツールのチャートに装備されており、初心者の投資家にも使いやすく、トレードの判断基準として広く利用されています。

設定値

一般的な移動平均線の設定値は、個々の取引戦略投資対象により異なります。ただし、一般的なガイドラインとして、以下の設定値が利用されるケースが多いです。

日足の移動平均線:
短期 : 5日
中期 : 25日
長期 : 75日
長期 : 100日
長期 : 200日
週足の移動平均線:
短期 : 9週
中期 : 13週
長期 : 52週:

5分足の移動平均線
分足の場合はスキャルピング(非常に短いサイクルで売買を繰り返す手法)では設定値が異なる場合がありますが、一般的に以下の値が利用されています。

短期: 15から10期間
中期: 15から30期間
長期: 50から100期間

ビギナーの方は、短期 10 中期 25 長期 75 で設定して、自分自身に合った移動平均線の設定値を見つけるのが良いでしょう。
ダマシに注意

テクニカル分析で得られたシグナルが逆方向に相場が動く事があります。このような現象は通常、株価に敏感に反応るす短期の時間枠でより頻繁に発生し、たとえば移動平均線分析でゴールデンクロス(通常は買いシグナル)が現れたにも関わらず、実際には株価が下がるケースがあります。この動きを「ダマシ」と呼びます。

移動平均線はここを見る!

ゴールデンクロス・デッドクロスで売買のタイミングを図ろう

ゴールデンクロスとデッドクロスは、移動平均線を使ってトレンドの変化を捉えるためのシンプルで効果的な方法です。これらのシグナルは市場の方向性の変化を示唆するものです。

ゴールデンクロス(Golden Cross)
ゴールデンクロスは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下にクロスする点を指します。ゴールデンクロスは、買いシグナルと見なされ、トレンドが上昇する可能性が高いことを示します。

デッドクロス(Death Cross)
デッドクロスは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上にクロスする点を指します。デッドクロスは、強い売りシグナルと見なされ、トレンドが下降する可能性が高いことを示します。これはトレーダーにとって、売りポジションを取るまたは既存のポジションを売却する合理的な理由を提供します。

サポートライン・レジスタンスラインとして見る

株価と移動平均線が接近し前述のゴールデン・デッドクロスにならずに反発した際は、移動平均線がサポートやレジスタンスラインと見る事ができ、トレンドの継続や反転の可能性を推し量れます。

移動平均線の種類

一般的に移動平均線とは「単純移動平均線(Simple Moving Average, SMA)」を指しますが、他にも指数移動平均線(EMA)、加重移動平均線(WMA)、平滑化移動平均線(SMMA)などがあります。これらは高度なトレード戦略に使用されますが、ビギナーには単純移動平均線がおすすめです。

単純移動平均線(Simple Moving Average, SMA)

一般的に「移動平均線」はこの単純移動平均線を指します。単純移動平均線は、指定された期間内の価格データの単純な平均値を計算します。例えば、20日間の単純移動平均線は、直近の25日間の終値を合計して25で割った値となります。一般的に「移動平均線」はこの単純移動平均線を指します。単純移動平均線は、価格の変動を平均化したものであり、相対的に遅れてトレンドの転換点を示す特徴があります。

指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average, EMA)

指数平滑移動平均線は、単純移動平均線と比較して、直近の価格により高い重みを持つ移動平均線です。計算方法としては、現在の価格データに指数平滑係数を乗じ、過去のEMA値に指数平滑係数を乗じた値との加重平均を求めます。指数平滑移動平均線は、価格の変動に敏感に反応するため、より早くトレンドの転換点を示すことができます。

加重移動平均線(Weighted Moving Average, WMA)

加重移動平均線は、単純移動平均線よりも直近の価格に高い重みを持つ移動平均線です。計算方法としては、各価格データに重み係数を掛け、それらの合計を期間で割った値を求めます。加重移動平均線も指数平滑移動平均線と同様に、価格の変動に敏感に反応するため、早い段階でトレンドの変化を示すことができます。

応用編:グランビルの法則

グランビルの法則 8つシグナル

グランビルの法則は、ジョセフ・グランビルというテクニカルアナリストによって提唱した、株価が変動する際は先行して取引量の変化が現れ、上昇トレンドでは取引量が増加し、下降トレンドでは取引量も増加する傾向があるという考え方です。

例えば、株価が上昇し続ける場合、取引量も増加する傾向があります。これは、市場参加者の関心や需要が高まっていることを示しています。逆に、株価が下落する場合、取引量も増加することがあります。これは、市場参加者の売り意欲や供給が増えていることを示しています。
買いシグナル
  1. 移動平均線が下落後、横ばい、または上向きに転じたときに価格が移動平均線を下から上に突き抜けた場合
  2. 移動平均線が上向きの時に、一旦価格は下落し移動平均線を下回るも再度上昇し移動平均線を下から上に突き抜けた場合
  3. 移動平均線が上向きの時に、一旦価格は移動平均線の手前まで下落するも移動平均線を下抜けることなく再度価格が上昇する場合
  4. 価格が移動平均線の下に大きく乖離した場合
売りシグナル
  1. 移動平均線が上昇後、横ばい、または下向きに転じたときに価格が移動平均線を上から下に抜けた場合
  2. 移動平均線が下向きの時に、一旦価格が大きく下落し再度上昇し移動平均線を上抜けした場合
  3. 移動平均線が下向きの時に、一旦価格が上昇するも移動平均線の手前で止まり再度下落した場合
  4. 価格が移動平均線の上に大きく乖離した場合。

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