株式投資の世界で、ファンダメンタルズ分析は欠かせない基本です。初心者の方にも理解しやすく、投資判断に役立つポイントを紹介します。企業の健全性や評価を見極めるために、これらの指標を覚えてみましょう。
売上高
企業の収益の総額
売上高は、企業の売上収益を表す財務指標です。企業が特定の期間(通常は1年間)において商品やサービスの販売によって得た収益の合計額を指します。この指標は、企業のビジネスの規模や成果を評価するために広く用いられます。
売上高は企業の収益性や業績を理解する上で重要な情報を提供します。高い売上高は企業が市場で競争力のある製品やサービスを提供していることを示し、成長や利益の可能性を示唆する場合があります。一方で、売上高が低い場合は市場での競争力や需要の低下、経営課題などが考えられます。
2023年8月時点 売上高 TOP25社
東証に上場している普通株全4,240社の直近の決算発表からスクリーニングしました。
銘柄名 | 売上高(億円) | |
---|---|---|
トヨタ自 | 7203 東証プライム 輸送用機器 | 371,543 |
三菱商事 | 8058 東証プライム 卸売業 | 215,720 |
ホンダ | 7267 東証プライム 輸送用機器 | 169,077 |
ENEOS | 5020 東証プライム 石油石炭製品 | 150,166 |
三井物産 | 8031 東証プライム 卸売業 | 143,064 |
伊藤忠 | 8001 東証プライム 卸売業 | 139,456 |
NTT | 9432 東証プライム 情報・通信業 | 131,362 |
7&iHD | 3382 東証プライム 小売業 | 118,113 |
ソニーグループ | 6758 東証プライム 電気機器 | 115,398 |
日本郵政 | 6178 東証プライム サービス業 | 111,386 |
日立 | 6501 東証プライム 電気機器 | 108,812 |
日産自 | 7201 東証プライム 輸送用機器 | 105,967 |
豊田通商 | 8015 東証プライム 卸売業 | 98,486 |
第一生命HD | 8750 東証プライム 保険業 | 95,194 |
出光興産 | 5019 東証プライム 石油石炭製品 | 94,563 |
三菱UFJ | 8306 東証プライム 銀行業 | 92,810 |
丸紅 | 8002 東証プライム 卸売業 | 91,905 |
イオン | 8267 東証プライム 小売業 | 91,168 |
パナソニックHD | 6752 東証プライム 電気機器 | 83,789 |
日本製鉄 | 5401 東証プライム 鉄鋼 | 79,756 |
東電力HD | 9501 東証プライム 電気・ガス業 | 77,987 |
住友商 | 8053 東証プライム 卸売業 | 68,179 |
東京海上 | 8766 東証プライム 保険業 | 66,486 |
ソフトバンクグループ | 9984 東証プライム 情報・通信業 | 65,704 |
デンソー | 6902 東証プライム 輸送用機器 | 64,013 |
経常利益
営業活動から得た利益
経常利益は、企業の営業活動から得た利益を示す財務指標です。経常利益は通常、特定の期間(通常は1年間)において、企業の営業収益から営業費用や営業外の収入・費用を差し引いた金額を指します。経常利益は、営業活動から得られる利益を基にして、企業のコアなビジネスの収益性や運営能力を評価するために重要です。
2023年8月時点 経常利益 TOP25社
東証に上場している普通株全4,240社の直近の決算発表からスクリーニングしました。
銘柄名 | 銘柄コード/市場/業種 | 売上高(億円) |
トヨタ自 | 7203 東証プライム 輸送用機器 | 36,687 |
NTT | 9432 東証プライム 情報・通信業 | 18,177 |
三菱商事 | 8058 東証プライム 卸売業 | 16,806 |
INPEX | 1605 東証プライム 鉱業 | 14,382 |
三井物産 | 8031 東証プライム 卸売業 | 13,953 |
ソニーグループ | 6758 東証プライム 電気機器 | 11,803 |
三井住友 | 8316 東証プライム 銀行業 | 11,609 |
郵船 | 9101 東証プライム 海運業 | 11,098 |
伊藤忠 | 8001 東証プライム 卸売業 | 11,069 |
KDDI | 9433 東証プライム 情報・通信業 | 10,779 |
三菱UFJ | 8306 東証プライム 銀行業 | 10,207 |
信越化 | 7267 東証プライム 輸送用機器 | 10,202 |
ホンダ | 7267 東証プライム 輸送用機器 | 8,796 |
日本製鉄 | 5401 東証プライム 鉄鋼 | 8,668 |
ソフトバンク | 9434 東証プライム 情報・通信業 | 8,629 |
日立 | 6501 東証プライム 電気機器 | 8,200 |
商船三井 | 9104 東証プライム 海運業 | 8,116 |
みずほ | 8411 東証プライム 銀行業 | 7,896 |
住友商 | 8053 東証プライム 卸売業 | 7,229 |
川崎船 | 6178 東証プライム サービス業 | 6,575 |
日本郵政 | 8053 東証プライム 卸売業 | 6,575 |
丸紅 | 8002 東証プライム 卸売業 | 6,517 |
東エレク | 8035 東証プライム 電気機器 | 6,252 |
任天堂 | 7974 東証プライム その他製品 | 6,011 |
純利益
最終的に残った純粋な「利益」
純利益は、企業の営業活動から得た利益のうち、全ての収益と全ての費用を考慮して計算される財務指標です。通常、特定の期間(通常は1年間)において、企業の全ての収益から全ての費用を差し引いた金額を示します。
純利益は企業の全ての業績を総合的に表す重要な指標であり、営業活動だけでなく、営業外の収入や費用(例えば金融収益や特別損失など)も考慮されます。つまり、企業がその期間に得たすべての利益と費用を総合的に反映している数値です。
純利益が大きいほど、企業の収益性が高いということになり、株主にとっては、純利益が大きいほど、その分配当金を支払う能力も高くなるため、純利益は株主が注目するポイントになります。
1株当たり純利益 (EPS)
企業の収益力
1株当たり純利益は EPS「 Earnings(収益) Per Share( 1株当たり利益)」と表示される事が多く、企業が1株当たりに稼いだ利益額を示す指標です。企業の収益力を収益成長性を評価する際に重要な要素となります。EPSは、企業の純利益を発行済み株式数で割ることで算出されます。基本的に、EPSが高いほど企業の収益力が高いと見ることができます。
2023年8月時点 1株当たり純利益 (EPS) TOP25社
銘柄 | 銘柄コード / 業種 | 1株当たり純利益 |
---|---|---|
SMC | 6273 機械 | 3,445 |
ノーリツ鋼機 | 7744 精密機器 | 2,848 |
ファーストリテ | 9983 小売業 | 2,675 |
川崎船 | 9107 海運業 | 2,571 |
商船三井 | 9104 海運業 | 2,204 |
芝浦 | 6590 電気機器 | 2,081 |
光通信 | 9435 情報・通信業 | 2,038 |
郵船 | 9101 海運業 | 1,994 |
あいちFG | 7389 銀行業 | 1,931 |
紙パル商 | 8032 卸売業 | 1,851 |
三井松島HD | 1518 鉱業 | 1,768 |
プロクレアHD | 7384 銀行業 | 1,714 |
キーエンス | 6861 電気機器 | 1,497 |
シマノ | 7309 輸送用機器 | 1,408 |
冶金工 | 5480 鉄鋼 | 1,317 |
芙蓉リース | 8424 その他金融業 | 1,299 |
阪和興 | 8078 卸売業 | 1,267 |
ローツェ | 6323 機械 | 1,237 |
石油資源 | 1662 鉱業 | 1,237 |
セ硝子 | 4044 化学 | 1,222 |
NXHD | 9147 陸運業 | 1,219 |
MARUWA | 5344 ガラス土石製品 | 1,217 |
スクリン | 7735 電気機器 | 1,216 |
東映 | 9605 情報・通信業 | 1,212 |
DI | 4310 サービス業 | 1,184 |
PER
15倍を基準に割高か割安かを判断
PER (Price Earnings Ratio) は株価収益率の略称であり、企業の株価を1株当たりの利益(EPS:Earnings Per Share)で割った値を示します。一般には、PER15倍を基準に、それよりも高ければ割高、低ければ割安と判断されることが多いです。
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銘柄名 | 銘柄コード | 1株当たり純利益 (EPS) | PER |
---|---|---|---|
塩野義薬 | 4507 | 621 | 9.93 |
日本新薬 | 4516 | 339 | 17.95 |
サワイグループHD | 4887 | 289 | 12.62 |
ダイト | 4577 | 250 | 9.22 |
大塚HD | 4578 | 247 | 17.92 |
小野薬 | 4528 | 231 | 12.69 |
キッセイ薬 | 4547 | 228 | 13 |
中外製 | 4519 | 228 | 15.1 |
ツムラ | 4540 | 216 | 12.25 |
武田薬 | 4502 | 204 | 21.71 |
PBR
目安は 1
PBR(Price to Book Ratio)は、株価純資産倍率の略称で、企業の株価をその純資産(資産から負債を差し引いた額)で割った比率を示します。株価がBPS(1株当たり純資産)に対して何倍まで買われているかを示したものです。PBRは企業の評価や投資判断に利用される指標であり、株価が純資産に比べて過剰に高いか低いかを示す目安となります。
一般的に、PBRが1未満の場合は株価が純資産に対して割安とされ、1を超える場合は割高とされます。低PBRの銘柄はバリュー投資を考える際に、高PBRの銘柄は成長性を重視する際に注目されることがあります。
バリュー投資とは、成長性よりも割安さに重点を置く投資方法。一方、成長性に着目して銘柄を選択するスタンスをグロース投資といいます。
ROE
上場企業の平均ROEは 9.4% (2018年 経産省データ)
ROE(Return on Equity)は、自己資本利益率とも呼ばれ、企業の収益性を評価するための指標であり、株主が「その株に投資して、どれだけ利益を効率よく得られるのか」という収益性や効率性の指標になります。この指標は、企業が投入した資本に対してどれだけの利益を生み出しているかを示すものであり、収益性や効率性を評価する際に重要な要素とされます。
ROEが高いほど、経営効率が良く投資価値が高いと考えられます。一般的に、ROEは8~10%を超えると優良企業だといわれていますが、ROEは負債が多いと高くなります。ROEが高くてもROA(総資産利益率)が低い場合は負債の割合が多くなっているおそれがあります。
ROA
総資本に対する利益の割合
ROA(Return on Assets)は、企業が総資産をどの程度効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標です。ROAの数値が高いほど、企業は総資産を効率的に活用して利益を生み出していると判断されます。ただし、多額の負債を抱えていても、利益が多い会社はROAが高くなります。そのため、ROAだけでなく、他の指標も併せて確認することが重要です。
1株当たり純資産 BPS
倍未満の場合は株価は割安
1株当たり純資産(BPS: Book Value per Share)は、企業の純資産(資産から負債を差し引いた金額)を発行済み株式数で割った値を示す指標であり、企業の一株当たりの解散価値(企業が解散する場合、どれぐらい株主に資金が返ってくるかを示す)を表しています。この指標は、企業の実態資産を1株あたりにどれだけ持っているかを示すもので、株価との比較や企業の評価に用いられます。
BPS(1株あたり純資産)は、主に「株価が割安かどうか」を調べるときに使われます。株価と比べてBPSが大きければ割安、BPSが小さければ割高です。一般的にPBRが1倍未満の場合、株価は割安と考えられています。